慢性閉塞性肺疾患は、喫煙や環境汚染の要因、体重減少や骨粗しょう症が原因と考えられていましたが、喫煙や環境汚染により低アディポネクチン血症になり慢性閉塞性肺疾患を発症することがわかりました。

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阪大グループによる研究

大阪大学(阪大)研究グループは世界で初めてアディポネクチンを発見した松澤佑次氏が教授を務めている、アディポネクチンの研究がとても盛んな大学です。その阪大が興味深い研究発表をしています。
阪大グループが着目しているのは、慢性閉塞性肺疾患(COPD)と呼ばれる排気ガスや喫煙などにより、引き起こされる肺の生活習慣病です。慢性閉塞性肺疾患は慢性気管支炎と肺気腫の総称になります。この疾患は現在ではごくわずかではありますが、2020年には世界における全死因の第3位になってしまうことと予想されています。なぜなら、この疾患は心血管疾患や糖尿病、骨粗しょう症などを高率に合併することから全身性疾患とみなされ、それが今後の患者の予後を悪化させています。そしてこの疾患の発症メカニズムや全身性疾患となってしまうメカニズムなど不明な点が多く、根本的な治療方法がないのが現状なのです。
阪大グループはその疾患に対して、アディポネクチンが有効であると発表しています。今までアディポネクチンは動脈硬化や高血圧、糖尿病に有効と考えられていましたが、この発表により、肺の疾患にまで有効となると、体内におけるアディポネクチンの存在が更に大きなものになります。
研究に使われたマウスはアディポネクチンの分泌が不可能なアディポネクチンノックアウトマウス(APN KOマウス)です。このマウスは加齢と共に慢性閉塞性肺疾患と類似の病態を呈することがわかり、また骨粗しょう症や体重減少といった併存症を引き起こしていました。
このことによりアディポネクチンが慢性閉塞性肺疾患発症に関係しているということだけではなく、併存症の原因にも関与しているという可能性が示唆されました。
慢性閉塞性肺疾患に至るということはアディポネクチンの血管を保護してくれる効能がなくなるために肺構造が維持できなくなるということになります。また、APN KOマウスをアディポネクチンで治療すると、一か月後には肺気腫の進展を著しく抑制しました。
この研究結果は、アディポネクチンの体内における重要性がよくわかります。
血中のアディポネクチンの低下が慢性閉塞性肺疾患の発症へ大きな鍵となることが初めて示されました。そして、慢性閉塞性肺疾患の併存症の発症にもアディポネクチンが大きく関与しているということもわかりました。
今までは、喫煙や環境汚染の要因、体重減少や骨粗しょう症などにより、慢性閉塞性肺疾患が発症すると考えられていましたが、喫煙や環境汚染により低アディポネクチン血症になったことにより慢性閉塞性肺疾患が発症していたということがわかりました。
根本的な要因はアディポネクチンにあったのです。
この多様な機能をもつアディポネクチンは、併存症も含めた慢性閉塞性肺疾患の新たな治療標的になっていきます。
今後さらに慢性閉塞性肺疾患の発症メカニズムと治療応用への研究を進めて行きます。


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